最近、仕事だったり私事だったりであちこちに電話で問い合わせする必要があり、結構な割合で「ハズレ」のオペレーターを引いています。そして思うわけです、ああ、景気が良くなったんだなあと。

以前、「やっと仕事が見つかったよ!頑張るよ!」というエントリを書いたのですが、実はこの会社を1ヶ月半で退職しました。パワハラひどいんだもん。入ってから知ったんだけど、2016年度に僕と同じ部署に配属された契約社員の人10人いて、2017年度を迎えたの僕だけ。その僕も4月の2週目くらいで退職。うん、仕方ない。

で、なんの仕事だったかというと、コールセンターのオペレーターを採用するお仕事でした。このオペレーターという仕事は誰でもできて代わりがきくからお給料が安いです。お給料が安いということは、好んでやろうという人は多くありません。景気が悪い頃はお仕事もなかったので、それなりにできる人もこの手の仕事に就かざるをえませんでした。なので低料金(低賃金)でも良いサービスが提供されていたわけですが、景気が良くなり、さらに団塊の世代が引退したこともあり、人手不足な昨今はそれなりにできる人はそれなりにお給料をもらえる仕事に就けるようになりました。

一方、今まで低賃金で雇っていたところは人手不足になります。とにかく誰か雇わなくてはいけなくなり、そうすると今までは仕事に就くことすら際どかった割と残念な人が集まってきます。というかそういう人でもいいから集めざるを得ません。上で「ハズレ」のオペレーターに当たったと書きましたが、この人たちも出勤してるだけましなレベルで、無断欠勤も割とざらにいます。飲食店なんかにいってもサービスレベルが落ちてるなあと感じるのですが、これも価格なりになっただけと言えます。都内のコンビニ店員が外国人ばかりになったのも、外国人の数が増えたわけではなく、今まで雇うのを敬遠されていたけど店側がそんなこと言ってられなくなったから雇ってもらえるようになったわけです。

つまり、サービス業は今までの料金とシステムだと継続が難しい局面に来ていることは確かで、そうすると値上げするか人件費を大幅に減らすかのどちらかになるわけです。
当然、コールセンター的サービスなら人手不足解消と人件費削減のためにAIを使用したチャットbotなどに置き換わっていきます。LINEは積極的にそういうサービスを提供しており、ヤマトの再配達申し込みなんか快適すぎてもう他の方法使えません。今や多くの人が日常的に使っているサービスの延長線上にあるのは使ってもらう敷居も低く、これからどんどん普及していくことでしょう。

さらに、最近はAmazonのEchoやGoogleのGoogle Home、LINEのClovaなどAIアシスタント搭載スピーカーを各社が出しています。声で操作するこれらのスピーカーの普及は、チャットで文字を打つのが面倒な人たちに対応してコールセンター同様に電話で問い合わせできるようになる日がそう遠くないことを示しています。音声認識AIにしてもチャットbotにしてもそうですが、24時間文句も言わず働いてくれて何千件でも同時に受けられるんですから、コールセンターで働いている人たちは数年後にはほとんどいらなくなることは間違いありません。クレーム受付みたいな感情の機微が必要な部分はまだしばらく人間でしょうけど、逆にこういうのこそ機械が対応したら面白いんじゃないかと思ってみたりもします。1日中クレーム受付してたら心が病みそうだけど、機械ならその心配もいりませんし、そもそも相手も感情的にならなそうですしね。

コールセンター自体は現状、コールセンターとしての機能と一緒に、応対を通じて得られた情報を分析してクライアント企業にサービス改善提案を提供していますが、どう考えてもコールセンター企業の営業さんよりどっかのコンサルとかに依頼した方が良い分析結果が出てきます。

要するにコールセンターはもう死兆星が肉眼でくっきり見えてること間違いなしで、自動運転に取って代わられるトラックドライバーとどっちが先に死ぬか競争してるレベル。技術が大きな変革を起こす瞬間をリアルタイムで見られるのは大変に興味深いことであります。

ということで、それをもたらすアツい技術を肌で実感するためにGoogle Homeを購入しました。Echoも買いたいなと思ってます、安いやつだけど。新しい技術、楽しいよね。