ゲームのマジコンが問題になってますね。
マジコンっていうのは、ゲームのデータをコピーして使えるようにするものなのですが、そのコピーが出回って、そのせいで商品の方が売れなくて困る、という問題が起きてます。被害総額はDSだけで3500億円と言われています。これは音楽がP2PやYouTubeのせいで売れなくなった、という話と似てますね。業界にとっては深刻な問題です。

さて。これらの被害総額の算出方法なんですが、これはコピーが使われている(聴かれている)ものすべてがちゃんと売れたら、の話です。わかりますよね。無料だからプレイする、無料だから聴く、という人たちの分も加算されているのです。もちろんマジコンや違法コピーを肯定するわけじゃないですが、ちょっと話がおかしい。違法コピーは罰せられるべきですが、過剰な規制は業界の衰退につながると思うのですよねー。

話は少しそれますが、FREEという本がバカ売れしました。この本では「フリーミアム」というビジネスモデルについてうたっています。「フリーミアム」のモデルは4種類あって、特に強調されているのはインターネットの普及で、多くの情報が無料で入手できる時代になったし、この無料を上手に使ってビジネスやろうぜ、というモデル。詳細は本書を読んでもらえればと思いますが、簡単に説明すると「データはいくら配布しても原価に影響しないので、ほとんどの人に無料で使ってもらって、よりコアなユーザーにハイレベルのサービスを提供して利益を確保しよう」ということで、99%の無料ユーザーと1%の有料ユーザーとで構成されます。もうクックパッドやニコニコ動画等で実際に使われまくってるビジネスモデルですね。

何が言いたいかというと、音楽やゲームも似たようなのにすればいいんじゃねーの?って話なわけで。ゲームはiPhoneやGREE、モバゲーだと当たり前に行われていますが、DSやPSPはそういうのに対応してないですね。このままじゃ負けちゃうよ?無料ないし激安で最初の方はプレイできるようにして、先に進むにはお金を払うとか、そういうタケノコ剥ぎ的システムの方がプレイヤーも増えていいと思います。(※iPhoneは無料版と有料版を配布、GREEやモバゲーは無料でプレイさせておいてアイテム課金、とスタイルは違いますがフリーミアムモデルという意味では同じです)

音楽に関しては、「途中までしか聴かせない」とかってわけにはいきませんね。これはすでに外国のミュージシャンなんかはやってますが、楽曲自体はMySpaceやFacebookで配布してタダ同然で聴いてもらって、コンサートやグッズで稼げばいいわけで。「高額なスタジオ使用料がどうのこうの」とか言ってる自称アーティストの方々は、その高額なスタジオを使うことがただの自己満足であることを知るべきで、別に都内のカラオケボックスだろうが西海岸だろうがロンドンだろうが、楽曲さえ良ければ消費者はついてきますよ。そもそも、みんなに聴いて貰いたくて始めた人が多いんじゃないですかね。無料で宣伝してもらって喜びこそすれ文句を言うのは違うような気がするんですが。

あー、もうさ、著作権とかなんかうるさいよ、ってカンジがしますね。それが商用利用されてるなら文句言ってもいいと思いますが、「儲け損ねた」ばっかり言ってるのが腹立ちます。音楽もゲームもとりあえず無料なり激安で配布して、気に入って貰えれば商機は広がると思うんですがねえ。テレビとかも、別にネットに流れても良くない?誰が困るの?スポンサー?だったらもうCMカットされないように画面の下でも横でも真ん中でも広告垂れ流せばいいじゃん。どうせ最近のCMなんて広告費削られて大したもん作れないんだからさ。時代の流れに逆らってもがいても体力消耗して嫌われて終わるだけだと思うし、ならうまく乗っちゃえよバーカバーカ。あんだけ著作権にうるさいディズニーとオリエンタルランド(※)が、ディズニーランドで撮った写真やら動画やらについて完全放置なのは、それ見て来たいなーと思わせるためだろ?どっちが儲かってんのか考えろっつーの!(参考・各社営業利益…オリエンタルランド:419億、日テレ:235億、フジテレビ92億、TBS33億、すべて2010年3月期決算)

と、最後は愚痴っぽくなってしまいましたが、音楽業界もゲーム業界もみんなもっと上手くやればいいのにな、と思いました。

※F1とディズニーの著作権のうるささは広告業界では有名です。無断で商用利用してばれると大変なことになります。「来場者にTDRチケットプレゼント!」って書いてもアウト。

フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略

クリス・アンダーソン

日本放送出版協会



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