年中温暖と言われるロサンゼルスも朝夕の冷え込みが強くなり(もともと朝夕は寒いんですけどね)、ああ秋だなあなんて思いながらTwitterを眺めてたら日本のお友達はお休みしている模様。平日なのに何で!?と思ったら秋分の日だったのですね。アメリカやカナダには春分の日も秋分の日も特に何もなく過ぎていくのですっかり忘れていましたよ。
そんなわけで、秋分の日が過ぎてこれからますます日は短く夜は長くなっていき、読書の秋到来であります。本日は秋の夜長に読む個人的にオススメの本をピックアップしてみましたよ。ベストセラーが多いし、かなり前に読んだ本も入っていますが、どれも本当に面白いので是非。
【ノンフィクション編】
■銃・鉄・病原菌

「民族の盛衰を決定した要因は何か?」をテーマに、現状何故白人が世界を制覇するに到ったのかを人類の歴史とともに探っていきます。別に白人が人種的に優れていたわけではないんだよ、というのが結論なんですが学ぶことが多くて興味深いです。詳しくは過去のレビューもどうぞ。
■それをお金で買いますか
「これからの正義の話をしよう」で有名なサンデル教授の2冊目。もうなんでもお金で買えちゃう世の中だけど、それは正しいの?というお話。例えば、健常者が身体障害者用駐車場に停めると高額の罰金が課されますが、じゃあ罰金払えばいいの?とか。一般的にある話からスタートして一度極論にシフトし、もう一度考え直そうというスタイルは勉強になりますし、話の内容自体考えさせられます。
■Born to Run
人間は走るために生まれてきたんだ!というお話。ベアフットランニングを推奨していて、試したくなります。そのままのランニングフォームで走ると膝を壊すこと間違い無しなので、トライする人は注意しましょう。これからの季節、涼しくなって走りやすいのでちょっと走ろうかなーって人は読んでみると良いかも。
■スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン
人々を熱狂させた故スティーブ・ジョブズのプレゼンの仕方をまとめた本。お仕事でプレゼンする機会がある方必読。ただし、実例としてジョブズがプレゼンした内容が出てくるので、無性にApple製品が欲しくなりますw
■幕末入門

幕末といえば坂本龍馬!新撰組!という感じですが、龍馬のいた土佐藩や新撰組に加え、会津藩、薩摩藩、長州藩と幕末の主役となったそれぞれの立場から眺めた幕末の動向を説明していてかなり興味深い一冊です。これを読んでから幕末物の小説を読むとまた違った観点で楽しめるかも。
■帝王学「貞観政要の読み方」
■スパイス・爆薬・医薬品
■ゲームばっかりしてなさい
■トポロジカル宇宙
【フィクション編】 1作者1作品に限定してみました。
■水滸伝(北方謙三Ver.)
■剣客商売

19冊は重いわあ、無理だわあという方にはこちら、池波正太郎の名作です。全16巻ですが、基本は一話完結の短編集という形式です。水戸黄門よろしく、わかりやすい勧善懲悪的お話+人情あり、という時代小説の典型なのですが素直に面白いです。無敵の強さながら飄々とした小兵衛みたいなおじいちゃんになりたい!折々出てくる食事の描写がシンプルなのにものすごく美味しそうなのも池波小説の読みどころ。味覚の秋も一緒に楽しめます。
■親鸞
親鸞といえば「法然の弟子で、浄土真宗の開祖」という知識しかなく、宗教物のつもりで読み始めたのですが、まさかの冒険活劇でした。読み始めてすぐに、家族(厳密には違うけど)が攫われて、仲間と助けに行くというワンピースな展開。もちろん親鸞が仏教に帰依しながら悩みぬき開眼していく描写もありますが、全般的にそれ以外のシーンが多く、「ホントかよw」とか思いながら楽しく読めます。続編の激動編はその傾向が顕著に。ただし、まだ完結編が出ていないので最後まで一気に読みたい人はまだ手を出さないほうが良いかもしれません。(なお、完結編は11月に出るようです)
■新・平家物語
■竜馬がゆく
![おーい!竜馬[新装版] 1 (ビッグコミックススペシャル)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JunepQW1L._SL160_.jpg)
世のおっさん達にオススメの本を聞けば必ずと言っていいほど選ばれる、言わずと知れた名作中の名作。あまりに有名過ぎて結構最近(といってもだいぶ前だけど)まで読んでなかったのですが、やっぱり面白いんですよねえ。孫正義社長が龍馬に憧れるのもわかる、素晴らしく魅力的な人物描写で、読んでいて引き込まれます。小山ゆうのマンガ「おーい!竜馬」も合わせて読みたいところですね。
■孟嘗君紀元前300年頃に活躍した戦国四君子の一人、孟嘗君とその養父風洪を中心とした冒険活劇です。前半は孟嘗君ほとんど出て来ず、風洪さん大暴れ。風洪さんめっちゃかっこいいです惚れます。史記の知識があると「この人も!あの人も!」とかなり楽しめます。逆にそれがないといまいちかもしれないことにいま気がつきました、、、。過去のレビューもどうぞ。
■天地明察

江戸時代、碁打ちの渋川春海が日本独自の暦・和暦を作るために奮闘するお話。主人公が才能はすごいんだけど頼りなくて周りに怒られてばっかし、でも愛されるというズルいキャラですごく良いんです。あまり時代小説って感じがしなくて読みやすい本です。2012年にV6の岡田くん主演で映画化もされたようですね。観てないけど。
■シャイロックの子供たち半沢直樹など著作が次々とドラマ化されて今をときめく池井戸潤の作品の一つ。他の作品では割とお決まりなパターンな「主人公(の会社)が一度大ピンチになるけどなんやかやあって逆転、大団円!」みたいなお話とは一線を画し、各お話毎に主人公が完全に変わる群像劇です。とはいえ舞台は銀行の一支店だけなんですが。最後のどんでん返しもきっちり楽しめて、個人的にはいちばんの名作です。
■流星の絆

池井戸潤の前はこの人の著作さえ映像化しておけばOKでした、東野圭吾。この作品は大ヒットドラマにもなったのでご存知の方も多いと思います。東野作品は結構読んだのですが、この本がいちばん面白かったなあと。
■猫を抱いて象と泳ぐ
「博士の愛した数式」で一躍有名になった小川洋子の作品。 小川作品全てに通じる、描写はとてもリアルなのにリアリティを感じない不思議な世界観が凝縮されています。さらっと書くにはどう書いて良いものやらわからないお話なのですが、小さなチェスの天才とそれをとりまく不思議で個性的な人達が織りなすひたすら切ない物語です。
こうやって見るとフィクションは時代物が多いですね。他はあまり読まないからなあ。司馬遼太郎、吉川英治、池波正太郎はやはり有名なだけあってハズレが少ないと思います。勢いにまかせて一気にブワーって書いたので途中手抜きなレビューもありますが、どなたかの参考になって一冊でも気に入ってもらえれば幸いです。レッツ読書!
そんなわけで、秋分の日が過ぎてこれからますます日は短く夜は長くなっていき、読書の秋到来であります。本日は秋の夜長に読む個人的にオススメの本をピックアップしてみましたよ。ベストセラーが多いし、かなり前に読んだ本も入っていますが、どれも本当に面白いので是非。
【ノンフィクション編】
■銃・鉄・病原菌

「民族の盛衰を決定した要因は何か?」をテーマに、現状何故白人が世界を制覇するに到ったのかを人類の歴史とともに探っていきます。別に白人が人種的に優れていたわけではないんだよ、というのが結論なんですが学ぶことが多くて興味深いです。詳しくは過去のレビューもどうぞ。
■それをお金で買いますか
「これからの正義の話をしよう」で有名なサンデル教授の2冊目。もうなんでもお金で買えちゃう世の中だけど、それは正しいの?というお話。例えば、健常者が身体障害者用駐車場に停めると高額の罰金が課されますが、じゃあ罰金払えばいいの?とか。一般的にある話からスタートして一度極論にシフトし、もう一度考え直そうというスタイルは勉強になりますし、話の内容自体考えさせられます。
■Born to Run
人間は走るために生まれてきたんだ!というお話。ベアフットランニングを推奨していて、試したくなります。そのままのランニングフォームで走ると膝を壊すこと間違い無しなので、トライする人は注意しましょう。これからの季節、涼しくなって走りやすいのでちょっと走ろうかなーって人は読んでみると良いかも。
■スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン
人々を熱狂させた故スティーブ・ジョブズのプレゼンの仕方をまとめた本。お仕事でプレゼンする機会がある方必読。ただし、実例としてジョブズがプレゼンした内容が出てくるので、無性にApple製品が欲しくなりますw
■幕末入門

幕末といえば坂本龍馬!新撰組!という感じですが、龍馬のいた土佐藩や新撰組に加え、会津藩、薩摩藩、長州藩と幕末の主役となったそれぞれの立場から眺めた幕末の動向を説明していてかなり興味深い一冊です。これを読んでから幕末物の小説を読むとまた違った観点で楽しめるかも。
■帝王学「貞観政要の読み方」
かなり前に父から薦められた一冊で、今でも自分のバイブルとして読み返している本です。「貞観政要」というのは唐を創設した太宗とその腹心達とのやり取りをまとめた本で、古くは北条政子や徳川家康も治世の参考にしたと言われるほどの名著です。上司として部下にどうあるべきかなどが説かれていて、昔からこういう本はあったんだなとw 管理職に就かれてる方は特に必読の一冊だと思います。
■スパイス・爆薬・医薬品
スパイスに始まりDDTなどの有機塩素化合物にいたるまで色々な化学物質がどのように世界史に影響を与えたか、という化学と歴史の両方の面から迫るというもの。詳しくは過去にレビューを書きましたが、好奇心を強く刺激する一冊です。理系の方に特にオススメ。
■ゲームばっかりしてなさい
「子供にスマホやタブレット触らせない方がいいのかな?」とお悩みのお父さんお母さんに読んでもらいたい本。この本が書かれたのは結構前なのですが、「子供にゲームをさせるのは悪」という風潮に対し、子供と触れ合うツールとしてゲームを使おう、と提言しています。結局、ゲームを子守りのため(=自分がラクをするため)に使うからよろしくないのであって、ゲームを通じて親子で仲良くなれるんだったらいいじゃん、と。全くもってその通り。でも僕は自分がゲームばかりしているので反省しないといけません。
■トポロジカル宇宙
トポロジー(位相幾何学)を用いて宇宙の形を想像してみよう!というとっても科学的な本。と言っても高校生向けに書かれた本なのでトポロジーとはなんぞやというところから始まります。科学的思考能力より想像力が必要なので、秋の夜長に宇宙の形について想像を膨らませながら読んでみてはいかがでしょう。
【フィクション編】 1作者1作品に限定してみました。
■水滸伝(北方謙三Ver.)
この本はもうあらゆる人に勧めている、超超超絶オススメの本です。全19巻と長いのでとっつきにくいのですが、読み始めると止まりません!ハードボイルドが苦手な人はダメかもしれませんが、もう男達の生き様がかっこよくってたまりません。原典に忠実な吉川英治などの水滸伝とは異なりリアリティを追求していて、騎馬を中心とした戦闘の裏で暗殺部隊同士の戦いあり、資金調達や糧食をどうするかなどもしっかりと描かれています(原典では仙術合戦始まっちゃったりします、それはそれで面白いんですけどね)。これより熱中して読んだ本って他にあったかなあというくらい個人的にははまりました。
■剣客商売

19冊は重いわあ、無理だわあという方にはこちら、池波正太郎の名作です。全16巻ですが、基本は一話完結の短編集という形式です。水戸黄門よろしく、わかりやすい勧善懲悪的お話+人情あり、という時代小説の典型なのですが素直に面白いです。無敵の強さながら飄々とした小兵衛みたいなおじいちゃんになりたい!折々出てくる食事の描写がシンプルなのにものすごく美味しそうなのも池波小説の読みどころ。味覚の秋も一緒に楽しめます。
■親鸞
親鸞といえば「法然の弟子で、浄土真宗の開祖」という知識しかなく、宗教物のつもりで読み始めたのですが、まさかの冒険活劇でした。読み始めてすぐに、家族(厳密には違うけど)が攫われて、仲間と助けに行くというワンピースな展開。もちろん親鸞が仏教に帰依しながら悩みぬき開眼していく描写もありますが、全般的にそれ以外のシーンが多く、「ホントかよw」とか思いながら楽しく読めます。続編の激動編はその傾向が顕著に。ただし、まだ完結編が出ていないので最後まで一気に読みたい人はまだ手を出さないほうが良いかもしれません。(なお、完結編は11月に出るようです)
■新・平家物語
まだ読んでいる途中なのですが、上記の親鸞の幼少時代までの平家勃興のお話で、平清盛が貧乏侍だったところから成り上がっていくお話です。読んでる途中で勧めるのもなんですがお話自体も面白く、そして何がオススメって、全12巻分がKindleだと1冊におさまってしかも162円という驚愕プライスなところ。吉川英治の著作権が切れたからこそ実現できたお値段ですね。話はずれますが、長編物のKindle版は1冊ずつのバラ売りも良いけど、全部まとめて1冊にして値段を半額くらいにしてくれないかなと思います。
■竜馬がゆく

![おーい!竜馬[新装版] 1 (ビッグコミックススペシャル)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51JunepQW1L._SL160_.jpg)
世のおっさん達にオススメの本を聞けば必ずと言っていいほど選ばれる、言わずと知れた名作中の名作。あまりに有名過ぎて結構最近(といってもだいぶ前だけど)まで読んでなかったのですが、やっぱり面白いんですよねえ。孫正義社長が龍馬に憧れるのもわかる、素晴らしく魅力的な人物描写で、読んでいて引き込まれます。小山ゆうのマンガ「おーい!竜馬」も合わせて読みたいところですね。
■孟嘗君紀元前300年頃に活躍した戦国四君子の一人、孟嘗君とその養父風洪を中心とした冒険活劇です。前半は孟嘗君ほとんど出て来ず、風洪さん大暴れ。風洪さんめっちゃかっこいいです惚れます。史記の知識があると「この人も!あの人も!」とかなり楽しめます。逆にそれがないといまいちかもしれないことにいま気がつきました、、、。過去のレビューもどうぞ。
■天地明察

江戸時代、碁打ちの渋川春海が日本独自の暦・和暦を作るために奮闘するお話。主人公が才能はすごいんだけど頼りなくて周りに怒られてばっかし、でも愛されるというズルいキャラですごく良いんです。あまり時代小説って感じがしなくて読みやすい本です。2012年にV6の岡田くん主演で映画化もされたようですね。観てないけど。
■シャイロックの子供たち半沢直樹など著作が次々とドラマ化されて今をときめく池井戸潤の作品の一つ。他の作品では割とお決まりなパターンな「主人公(の会社)が一度大ピンチになるけどなんやかやあって逆転、大団円!」みたいなお話とは一線を画し、各お話毎に主人公が完全に変わる群像劇です。とはいえ舞台は銀行の一支店だけなんですが。最後のどんでん返しもきっちり楽しめて、個人的にはいちばんの名作です。
■流星の絆

池井戸潤の前はこの人の著作さえ映像化しておけばOKでした、東野圭吾。この作品は大ヒットドラマにもなったのでご存知の方も多いと思います。東野作品は結構読んだのですが、この本がいちばん面白かったなあと。
■猫を抱いて象と泳ぐ
「博士の愛した数式」で一躍有名になった小川洋子の作品。 小川作品全てに通じる、描写はとてもリアルなのにリアリティを感じない不思議な世界観が凝縮されています。さらっと書くにはどう書いて良いものやらわからないお話なのですが、小さなチェスの天才とそれをとりまく不思議で個性的な人達が織りなすひたすら切ない物語です。
こうやって見るとフィクションは時代物が多いですね。他はあまり読まないからなあ。司馬遼太郎、吉川英治、池波正太郎はやはり有名なだけあってハズレが少ないと思います。勢いにまかせて一気にブワーって書いたので途中手抜きなレビューもありますが、どなたかの参考になって一冊でも気に入ってもらえれば幸いです。レッツ読書!