少し前に、成毛眞さんの『ビジネスマンへの歌舞伎案内』という本を読みました。


 
この本は本当のど素人向けに歌舞伎の楽しみ方が書かれています。個人的には歌舞伎に対し結構敷居が高いイメージがあったのですが意外にそうでもないということがわかり、これはちょっと観てみたいな、と。歌舞伎、面白そうだな、と。でもそのときはまだアメリカにいたので「日本に帰ったら行こう」なんて思いながらすっかり忘れてたんですが、ふと思い立ちまして、娘も冬休みに入ったことだし家族で観に行こうってことになりました。
 
調べてみると『菅原伝授手習鑑 寺子屋』という、「歌舞伎の三大傑作」の一つに数えられる演目があったので、それを観に行くことに。
歌舞伎は複数演目がセットで一つの「部」になっていて、普通はチケットを「部」毎に購入するのですが、「幕見席」という当日券もあり、演目毎に観ることもできます。ただ、当日券なので発売開始の少し前から並び始めないといけず、席も4階自由席(と立ち見)なのでじっくり観たい人にはオススメできないのですが、初心者にはまずこれで十分。値段は2000円前後ととってもお得です。

幕見席は人気の演目だと結構前から並び始めないといけないのですが、『寺子屋』は超有名作品ということでコアなファンはもう何度も観ているからでしょうか、50分前から寒空の下で並び始めましたが、そこまで早く行く必要はなく30分前で十分でした。一方、その次の演目の『二人椀久』は発売開始時間が『寺子屋』よりずっと後なのにも関わらず、僕たちが並び始めたときには既に多くの人が並んでいましたので、推奨される並び始め開始時間は本当に演目次第のようです。

中ではイヤホンガイド(500円+デポジット1000円)を借りることができます。外国人向けには英語字幕端末があります。舞台の背景なども解説してくれるので初心者には必須。 
いちばん安い席ということもあり舞台まですごく遠いのではと心配したのですが、意外に近いというか、十分楽しめる距離でした。ただ、やはり役者さんの表情まではなかなか見えないので、双眼鏡を持参することをオススメします(売店でオペラグラスも売ってます、1080円)。

詳しい楽しみ方は本に譲りますが、最低限お伝えしておきたい点として、演目のあらすじや背景、見所はチェックしておきたいところです。映画とかと違ってストーリーを楽しむより、それぞれのシーンでの言い回しや表情、見得などどういう演技をするかを楽しみます。簡単で良いので予習をしておいた方がより楽しめると思います。

今回僕が観た『寺子屋』という演目では、母親が自分の息子を殺されると分かっていながら寺子屋に預け、別れを惜しみながらそれを出さないようにしつつ立ち去る、という、心情を思うと辛過ぎて視界が滲むシーンがあり、個人的にはそこがいちばんグッときました。もちろん、一番の見所である首実検のシーン(詳しくはあらすじをどうぞ)も盛り上がりました。

あと、「涎くり」というお笑い担当の三枚目が登場し、ベタな笑いをとるシーンもあり、重たい内容でありながらコミカルなシーンもあったのが印象的でした。

そんなわけで、歌舞伎、想像以上に面白かったです。一緒に行った娘にはまだ早かったみたいですけど、まあ一つの経験ということで。次はもっと良い席でじっくり観たいね、と奥さんと話してます。でも結構いいお値段するんだよなあ。 


おまけ
歌舞伎を題材にした『かぶく者』というマンガがあります。万人ウケするかはわかりませんが、個人的には結構面白く読みました。『籠釣瓶』や『連獅子』、『四谷怪談』など色々な演目が出て来て、今回の『寺子屋』の他にも気になるものがたくさんあります。次は何を観ようかなー。
かぶく者(1) (モーニング KC)
たなか 亜希夫
講談社
2007-12-21