写真家の幡野広志さんの、写真を撮る心構えを説いた本。心構えなので、技術的なことはほとんど触れられていないんだけど、一般的に「上手に写真を撮るためのテクニック」とされるもの(例えば三分割法)を「そんなの現場では使ってないし、気にしなくていい、もっと気にするべきものはある」とぶった斬ってるのはなかなかに痛快かつ興味深いです。
好きでいつも読んでいた幡野さんのコラム「なんで僕に聞くんだろう。」の文体そのままで、淡々と、でもちょっとフレンドリーな雰囲気が全体から醸し出されています。だから本当に写真のテクニック本とかそういうのではまったくないんですよね。
で、ばっさり斬り捨てられた三分割法。僕自身、時々気にして撮ってたので「お、おう、そうですか、、、」となってしまいましたw 別に三分割法を使うのが悪い、という話でもないし、僕もそれに囚われてるわけでもないからいいんですけど。
それよりも、「光の状態(差してる方向や明るさ、色など)を最優先にして、背景は二の次」とか「写真はトリミングする(切り出す)もの」など、今までの価値観と違う考え方を提示されて、腹落ちもありとても勉強になりました。光の状態を気にしてこなかったわけではないけど、もっと気にしようと思います。トリミングも、もちろんあとですることはあるんだけど、トリミング前提で撮ったことはあまりなかったなと。今度からそれを前提に少し引いて撮ってみようと思います。
あと、現像の際に写真に粒子感を加える、というもの。これは僕の中で「粒子感は無くすもの」という認識が強かったのでびっくりしました。過去に撮った写真をやってみました。これ、ブログに表示するレベルだと正直違いはまったくわからんのですけど、大画面で表示するとたしかに「いい感じ」になるな、と思いました。プリントするときっとはっきり違うんでしょうね。
カメラで撮ったRAWファイルは外付けHDDに保存してるけど(これもそろそろバックアップを取らないと危険だな)、基本的にはGoogle Photoで満足してしまっているので、「これは」というもの以外はそこまでしなくて良いかなー。
一眼レフは重たくて使ってないので手放しちゃったので手元のカメラらしいカメラはSONYのRX100っていうコンデジ(でも強いんですよ)だけで、それすら最近はあまり使ってなくてスマホで撮ることが多くなってしまってるんですけど、またもっと使おう、という気持ちになりました。写真を楽しもう。