「子供が急に海外で暮らすということ」というエントリーがちょっと話題になっています。
4才の子供がある日海外(アメリカ・カリフォルニア州)に引っ越して言葉もわからない現地校に入り、他の子達とコミュニケートできず孤立し、メンタルを病みかかっている姿は想像するだに胸を締め付けられる思いです。
ちょうど友達が子連れで海外に引っ越したという話を聞いたので、その友達や他の人でも誰かの参考になればと思い、少し書いてみます。
ちょうど友達が子連れで海外に引っ越したという話を聞いたので、その友達や他の人でも誰かの参考になればと思い、少し書いてみます。
思い返せば我が家もカナダに引っ越して娘には辛い思いをさせたなあという気持ちがありまして、上のエントリーは我が家にとって人ごとではなかったわけです。
うちにとってラッキーだったのは、奇跡的と言っていいほど、ていうかもう奇跡だな、うん、神がかり的に周りの人達に恵まれたということです。
まず同級生に日本人(厳密にはハーフ)がいたこと。
この子はカナダにいる間の娘にとってのベストフレンドの一人でした。この子が通訳の役割を果たしてくれたことで、他の子との交流もちゃんとはかれたのかなと思います。
1つ上の学年にも日本人がいたこと。この子達のお母さん達にも相当助けてもらいました。入ってすぐの頃、休み時間に一人で泣いていたところを声をかけてくれて一緒に遊んでくれたのは本当に助かりました。
翌年、同じように泣いていた新入生の日本人の子に声をかけてあげたと娘が報告してくれたときは本当に嬉しかったです。
さらに、入学してすぐに、同じアパートに同級生が住んでいてしかも同じように海外から引っ越してきたばかりの子供がいたこと。この子のお母さんはアパートが同じであることに気づいて夕飯に招待してくれました。(そのときのことを過去に書いています。娘にお友達ができました)
また、クラス役員のお父さんとお母さん(どっちも中国系カナダ人)が本当に本当にいい人達で、馴染めずにいた娘のことをとても気にかけてくれたこと。
放課後、遊び相手がおらずポツンと立っている娘に声をかけて、自分の子供達に「一緒に遊んであげて」といつも声をかけてくれました。お父さんの方は僕と同じく主夫で、以前は神父だか牧師だかもしていたんだとか。どうりで優しい。僕の生涯で彼ほど優しい人が他にいたかな、と思うくらい優しい、そしていつも冗談ばかり言っている気さくな人です。一度、家に招いたときに「娘のことを気にかけてくれてありがとう!」と伝えたら、「だって娘ちゃんは知らない人ばかりのところに、しかも言葉がまったくわからない世界に急に放り込まれたんだよ?自分だったらと思うと考えるだけで恐ろしいよ。だから自分にできる精一杯のサポートをしようと思ったんだ。」と言ってくれました。神父っていうより神様なんじゃないかな。
いまだに当時のことを思い返すだけで感動で涙がこみあげてくるくらい、本当にたくさんの親切に恵まれて、だからこそものすごく良い印象をバンクーバーに対して持っています。
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小さい子供を連れて海外引っ越す人にお伝えしたいのは、子供の親同士のコミュニケーションがとても大切だということです。もっというと、遊び相手になってくれる子の親と早く仲良くなることが肝要。
日本と異なりアメリカやカナダでは(そして他の多くの国でも)、子供同士が勝手に約束をして放課後に遊びに行くということができません。なので親同士で話して、いつだったらば遊べるのか、どちらがどちらの家あるいはどこの公園に行って遊ぶのか、何時まで遊ぶのか、誰が連れて行き付き添いをするのか(子供だけで外で遊ぶのは御法度)。そういったことを全て話した上で一緒に遊ぶことになります。
男性の親の場合はこれが非常に高いハードルで、僕はコミュニケーション能力は低い方ではないと自負しているのですけれども、やはり女性ばかりの中にいきなり飛び込んで(ここまではできるけど)しかも連絡先を交換したりするのはなかなかに難易度が高い行為です。子供同士が先に仲良くなっちゃえば「プレイデートしたいって言ってるんで連絡先教えて」って言えますが、親側で先に仲良くなってという行為ができない。そこに加えてシャイな娘は自分から友達と約束をしてこれない(というか保育園育ちでそもそもそういう習慣もない)ので割と八方塞がりになるところでした。周囲のサポートがなかったら、そして同級生や近い学年に日本語を喋れる子がいなかったら、どうなっていたことかと思うと背筋が寒くなります。
願わくば、先のエントリーのお嬢さんが早く仲良しのお友達を作って、学校が楽しくなってくれますように。。。